1.どうすれば自分で使いやすいノートを作ることが出来るのかを考えさせる。
(1)自分で書いた文字の縦・横のサイズを測れば、ノートの罫線幅を決めることが出来ることを発想させる。
(2)ノート1ページの原図を作成し、それを複数枚コピーしてファイルやバインダーに閉じればノートを作ることが出来ることを発想させる。
(3)ルーペやCCTVを媒体とせずとも、書きやすく、読みやすいノートを作ることとなる。
(4)原図は、生徒自身が定規で作図する予定であったが、等間隔でまっすぐな線を書くためのスキルアップが図れず、教師側で作成することとした。
2.罫線幅の決定手順
(1)白紙の用紙に、漢字仮名交じり文・アルファベット・数字などを複数種類、それぞれ縦書き・横書きに書く。
(2)書いた文字の中から、比較的大きめのものを複数個抽出し、その文字の縦と横の幅を計測する。
(3)文字の縦の長さに1o程度の余白分を加算し、横書きノートの罫線幅とする。同様に、文字の横の長さに1o程度の余白分を加算し、縦書きノートの罫線幅とする。
*公開クラスの生徒各自の罫線幅(o)
生徒
横書き
縦書き
A
20
18
B
17
16
C
13
12
3.罫線の太さについて
0.1o・0.3o・0.5o・1o程度の4種の手書きサンプルと、ワープロソフトの持つ細線・中太線・太線の計7種のサンプルから選択させる。
*公開クラスの生徒各自の希望
生徒
線の太さ
A
中太線
B
太線
C
細線
4.用紙サイズ・色等について
(1)持ち運びの利便性、教科書のサイズ、机のサイズ等を考慮し、A4ないしB5のいずれかを選択させる。(今回はB5を使用)
(2)白用紙の光の反射等を考慮し、白色・反転およびクリーム色から選択させる。(今回は白色とクリーム色の2種を使用)
*サインペンなどの筆記用具を使う場合には、インクが裏写りしてしまうため、原図を片面のみにコピーすることとした。
5.ファイルの種類について
2穴のB5サイズの紙ファイルで、縦開きのものと横開きのものを2種、B5多穴バインダー1種の計3種を用意し、クリーム色の横書きノートは、2穴の紙ファイルで横開きのもので綴じ、縦書きのものは2穴の紙ファイル縦開きに綴じることとした。白色は多穴バインダーに綴じることとした。
6.コピー原図の作成について
(1)原図の作成に際しては、生徒自身の手書きが難しいことと、罫線の太さの希望がワープロソフトの持つサンプルに集中したために、教師側がワープロで作成することとした。
(2)使用したソフト等は以下の通り。
ワープロソフト 一太郎(Ver.12)
プリンター カラーのインクジェットプリンター(Epson PM770C)
(3)紙面のマージンを、上20o・下15o・左25o(綴じ代の確保のため)・右1 5oとし、ここの生徒の行間幅を指定し、この範囲で確保できる行数に行間罫線を設定した。
*一太郎で原図を作る場合には、行間幅の設定数値を−3o(20oの行間幅を確保したい場合には17o)にすると、何故か正確な指定数値が確保できる・・・???。
7.レイアウト上の工夫について
意見聴取の段階では、「用紙の左端に穴あけパンチ用のマークを付けよう」・「余白をもっと取って落書きのスペースを作ろう」などのプランが出ていた。まじめなものとしては、「罫線の周囲を四角く囲う」・「行の途中にメモリをつければ、必要なときに縦線(横書きの場合)が引ける」・「横書きノートの左端に縦に点線を入れれば、日付などを書ける」等々の意見が出る。
【参考】
1.LV用ノートの入手先
(1)筑波大学附属盲学校小学部(担当:増岡)
A 54マス 茶線
B 96マス 茶線
C 縦書き用
D 横書き用 太線 茶線
E 横書き用 細線 茶線
F 観察ノート 横書き
G 日記ノート 縦書き
*各200円
(2)日本点字図書館用具部
ビジュアルイーズ 大(A4判)横書き用 24o 青・茶太線 300円
ビジュアルイーズ 小(B5判)横書き用 12o 青太線 200円
(3)株式会社大活字が現在LV用ノートの製作・販売を検討中
2.市販ノート
大半が小学校低学年むけのものが多いし、線が薄いという欠点があるが、一般の文房具店で入手が可能もので、LVにも使えるかも知れないものは、以下の通り。
(1)KOKUYO 太罫ノート 12o 縦書き用(ノ−F3M12) 150円
(2)ツバメノート 立太罫(12o〜立極太罫18o) 横太罫(10o)
(3)アピカ 縦罫(8o〜9o) 横罫(10o)