- 検査方法についての説明
1.準備する物
・マニュアル(このページを印刷する)
・サンプルセット
・調査用紙
・定規(視距離の測定に使用)
・ストップウォッチ(時間の計測用)
・計算機(あると、便利)
*サンプルセット・調査用紙については、検査指標のダウンロードのページからダウンロードできます。
*LVが眼鏡・ルーペ・拡大読書器を常用している場合はそれを準備させる。
2.調査環境
・LVが通常、読書または学習する場で調査を行う。
3.検査項目
(1)字体(フォント)
(2)文字の大きさ(ポイント)
(3)白黒反転の有効性
(4)補装具(ルーペ・拡大読書器)の有効性
4.検査手順
あらかじめ、学年・氏名・眼疾患名・最近の視力(左右)を聞き、記録しておく。
(1) 文字サンプル(通常印刷)を提示し、読みやすい字体・字の大きさを選択させる。検査時の視距離は本人の自由とする。
(2) (1)で選択した字体・大きさの読書サンプルを音読させ、1分間で読める文字数を測定する。読書中に視距離も測定する。
- 読めない漢字は予め一字を「なに」、二字を「なになに」と読むように伝えておく。
- なるべく速く読むように指示する。
- 誤読した文字数を数えておき、その数はカウントしないようにする。
- 1分以内にサンプルを全て読み切ってしまった場合は、以下の数式に当てはめて、1分間の読書可能文字数を割り出す。
文字数÷読書に要した秒数×60=1分間の読書可能文字数
(3) LVの希望した文字サイズよりも4ポイント小さい読書サンプルを提示し、(2)と同様に1分間で読める文字数を測定する。
(4) LVの希望した文字サイズよりも4ポイント大きい読書サンプルを提示し、(2)と同様に1分間で読める文字数を測定する。
(5) 文字サンプルAと文字サンプルB(白黒反転印刷)を比較させる。サンプルBを希望した場合のみ、(1)と同様に、読みやすい字体・文字の大きさを選択させる。
- (1)と(5)で選択した文字の大きさが異なっていても構わない。
(6) (5)で白黒反転を希望した場合のみ、(2)〜(4)の手順で検査を行う。
(7) ルーペ・拡大読書器使用者に対しても、同様に(1)〜(4)の手順で検査を行う。
5.評価方法
(1)字体
基本的は、本人の希望を優先させて問題はないと考えられる。ただし、今日まで多くのLVにとって見やすい言われてきたゴシック体にも、「はね」や「はらい」が分かりにくいことや、画数の多い漢字は読みにくいといった難点も指摘されている。それに比べ、明朝体や教科書体は「はね」や「はらい」が分かりやすいため、新出漢字等細かく文字を見る場合がある時には適している。また、本調査では太字を使用しているため、かつての明朝体のように横の線が細いという難点は軽減されている。
(2)文字の大きさと視距離
LVの希望文字サイズとその前後4ポイントで視能率と視距離を測定しているわけだが、基本的には視能率が最も高い文字サイズでの提供が望ましいと考えられる。ただし、視距離が短くなっている場合はその限りではない。疲労度も考慮し、本人と相談して決めるのが望ましい。
(3)白黒反転の有効性
白黒反転も補装具と同様、視能率の向上が認められれば、有効と判断できる。概して、透光体混濁を持つ多くのLVは反転を希望する傾向にあるが、それ以外の眼疾でも反転が有効なケースがあるので、一通り検査してみる必要がある。
(4)補助具(ルーペ・拡大読書器)の有効性
補助具使用の有効性も視能率を基に判断するのが良いと考えられる。補助具を使用しない方が視能率が高いケースがあれば、その反対のケースもある。
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