参議院 本会議
平成20年6月6日(金)

○議長(江田五月君) 日程第一 障害のある児童及び生徒のための教科用特定図書等の普及の促進等に関する法律案(文教科学委員長提出)を議題といたします。
 まず、提出者の趣旨説明を求めます。文教科学委員長関口昌一君。

○関口昌一君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教科学委員会を代表して、提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
 本法律案は、憲法に定める教育の機会均等の趣旨にのっとり、拡大教科書や点字教科書等を教科用特定図書等と位置付け、その普及促進等を図るとともに、児童生徒が障害などの特性の有無にかかわらず、十分な教育が受けられる学校教育を推進しようとするものであります。
 以下、本法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、国は、教科用特定図書等の普及促進等に関して必要な措置を講ずることとし、教科書発行者は、その発行する検定教科用図書等について適切な配慮をするよう努めることとしております。
 第二に、教科書発行者に対し、検定教科用図書等の電子データを文部科学大臣等に提供することを義務付け、その電子データは、教科用特定図書等を発行する者に提供できることとしております。
 また、文部科学大臣は、教科用特定図書等について標準的な規格を定めて公表し、教科書発行者は、この規格に適合した標準教科用特定図書等の発行に努めることとしております。
 なお、国は、教科書発行者に助言等必要な援助を行うこととするとともに、発達障害等の児童生徒が使用する教科用特定図書等に関する調査研究等を推進することとしております。
 第三に、小中学校の通常学級及び高等学校においては、障害のある児童生徒が、検定教科用図書等に代えて教科用特定図書等を使用することができるよう必要な配慮をするとともに、国は、小中学校の設置者に教科用特定図書等を無償給付し、設置者は、各学校の校長を通じて児童生徒に給与することとしております。
 最後に、国は、高等学校における教科用拡大図書等の普及及び特別支援学校の児童生徒への援助の在り方について検討し、所要の措置を講ずることとしております。
 なお、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行し、平成二十一年度において使用される検定教科用図書等及び教科用特定図書等から適用することとしております。
 以上が本法律案の趣旨及び主な内容であります。
 なお、本法律案は、文教科学委員会において全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決定したものであります。
 何とぞ速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。(拍手)

○議長(江田五月君) これより採決をいたします。
 本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
   〔投票開始〕

○議長(江田五月君) 間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
   〔投票終了〕

○議長(江田五月君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数         二百三十一  
  賛成           二百三十一  
  反対               〇  
 よって、本案は全会一致をもって可決されました。(拍手)
 

トップページへ戻る

「拡大教科書の公的補償について」のメニュー画面へ